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旅は続く
古尾谷は京都駅にワープした。よりにもよってトイレだ。掃除用具入れなんて地味な場所だ。
通行人なら絶対に入れない場所だ。ある意味、ミステリアスな場所だ。金塊が……ない。
そんなにうまい話はない。宝くじなんてほとんど当たらない。当選するには王様クラスにならなきゃイケないのさ。
鉄板屋に入ると懐かしい奴に会った。
「鷹島?」
「うわっ」
奴はこっちを見ないふりした。
昔、こいつを散々利用してやった。
頭の悪い派遣社員だ。あの事件は、俺たちが仕組んだものだがコイツに罪をかぶってもらった。
「助けてやったんだから、礼くらい言ってくれてもいいのにな?」
馬鹿だからもう忘れてるんだろ?
俺たちは犯罪者と救世主の2つの顔を持っている。いつまでも忘れていてくれ。
「今夜は大文字焼きだ、邪魔しないでくれよ」
不細工な女を連れてそそくさと出ていく。
「そうか、せいぜい楽しむがいいさ」
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