伏見大追跡!

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伏見大追跡!

 遠江一哉 殺害人数 20人    あれから日本兵を5人殺し、一哉は1941年のオアフ島にタイムスリップした。  スパイが望遠鏡で真珠湾を監視している。  日本料理店には、日本領事館の黒岩書記官の姿があった。  派遣の仕事を切られて首を吊らなかったら、こんなところには絶対に来なかっただろう。  師岡博士に気に入られ、社会のゴミを次々に葬った。Q9は本当に気に入っている。  あとでウェスで拭いておこう。   12月6日、土曜日……第2次世界大戦前夜  一哉は日本刀、村雨丸を手にタクシーに乗り込み真珠湾に向かった。静かな空気が流れている。  湾内には全艦隊が集結していた。戦艦、空母、駆逐艦……。  タクシーを降りると後頭部に冷たく固いものが突きつけられた。 「Get your hands up!」手を挙げろ!  ウィル・スミスみたいな声だ。 「コロシテクレ」  死んで、おふくろの子供として生まれ変わりたい。一哉はゲラゲラ笑った。 「Don't try anything funny!」おかしな真似するな!  Bang!Bang! 遠江一哉 game★over  2015・8・16 「赤犬が逃げたぞ!」  中書島駅に緊張感が走った。  京都府警の古尾谷誠警部は、ホルスターからコルトガバメントを抜いた。  赤犬とは隠語で、《放火犯》を意味する。  京阪本線・伏見桃山駅近くの住宅街から火の手が上がった。北改札口を抜け、FamilyMartの前を通り過ぎる。ケーキ屋を右に曲がり、細い道に入る。  来年で定年退職だ。死にたくない!  もくもくと入道雲が湧いている。  パン!パン!と乾いた音が響く。 「銃声!?」  新人の佐伯巡査がワナワナと震えている。  弁天橋の袂にやって来る。  雨によって濁った宇治川を十石舟がゆく。  伏見は日本、いや世界有数の酒の街だ。  さかみず、白菊水、伏水などの名水を御堪能あれ!宇治川沿いを全力疾走する。  松林院や月桂冠大倉記念館を過ぎる。  大倉記念館は酒造りや日本酒の歴史を紹介、ロビーで吟醸酒やプラムワインの試飲が出来るなり!  寺田屋の前でフードをかぶった青年が倒れていた。腹を銃で撃たれていた。
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