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刀がどうとか言ってたよね…
剣士の刀を見てみるが、対してそこいらの刀と同じく変わりなんてないように思える。
何が違うのかな…?
「おい。」
「は、はい!?」
「なにをじろじろと見ている?」
「あ…いえ…ιなんでもありませんι」
刀を見ていたことに気づかれ、慌てて刀から目をそらす。
「ところで、あの…これからどこへ行くのでしょうか?ι」
「黙ってついてくればいい。」
「でも…「黙れ。」
質問の隙を与えないとばかりに剣士に口を閉ざされる。
悪い人ではないようだけど…
やはり、行く場所を教えてもらわないと不安だ…
剣士の歩くスピードは速く、明菜は少し後ろをついていくような形になりながら歩いて行く。
なんとかついて行こうとしているため、さっきから息が切れて苦しい。
ぼやぼやとする頭で、目の前の剣士のことを考える。
容姿は、かっこいいんだよなぁ…
僕もあんな風になれたらいいのに…
普通の剣士さんとは違う服装だけど…何かに所属している人なのかな…?
そんなことを考えながら歩いて行くと、だんだんと視界が歪んで行く。
あれ…?おかしいな…目の前が歪んで…
「……ん…」
「気づいたか。」
真っ暗になった視界がだんだんと覚醒していき、辺りを映していく。
「夜…」
いつの間にか辺りは真っ暗になっていて、上を見上げれば星がたくさん空に散りばめられている。
「綺麗だなぁ~」
部屋の窓以外で星をたくさん見たことがない明菜はたくさん光っている星の数に感動する。
「なにのん気なことを言っている。」
はぁとため息をはく剣士に明菜は現実に戻されると、自分のせいで足止めをくらわせてしまった剣士に申し訳ない気持ちになり謝る。
「ご…ごめんなさい…」
「…………」
明菜の顔を少し横目で見ると剣士は明菜に背を向けるようにして横になって寝転がった。
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