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「おかえり」
あらゆる光が霞むほどの光を放った星々が辺り一面で輝く日、彼女は目に涙を浮かべて言った。
僕の後ろには、僕らを隔てていた星々の川がある。
今宵、僕らはこの星の川の壁を超え、再び出会った。
ようやく──君に会えた。
「ただいま」
僕はそう、満面の笑みを浮かべて返す。
けれども、元気よく且つ落ち着いて放ったはずの声は震えていた。
きっと僕は今、彼女と同じような表情をしているだろう。
「おかえり」
今度は僕が、彼女にそう言う。
「ただいま」
彼女の目からは、今にも涙が溢れ出しそうだ。
──僕たちは、一年に一度しか会うことができない。
ずっとずっと前に犯した過ちによって、僕たちは星の川を挟んで離れ離れになった。
そして今日──星の輝きが一層強くなる今日、僕たちは短い時間だけれど、出会うことができる。
この川を目印に、お互いがお互いの帰りを待つ。
長い長い時間を旅した僕らは、今日だけ、お互いの元へ帰ることができるのだ。
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