05 北風と太陽
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05 北風と太陽

 …――TVが同じ事ばかり繰り返してうんざりするほど五月蠅い。  静かにTVを切る。  夏真っ盛り。蝉は発狂しているのかのような大合唱で陽射しも暑く肌を焦がす。とにかく暑い。暑すぎてエアコンのある部屋から出られない。むしろエアコンの中で扇風機にあたりたい気分にかられる。それほどまでに暑いのだ。  そんな中、スマホの呼び出し音が鳴る。  ソレすらも暑い過ぎる。  電話に出る。 「あんまりエアコンにあたらない方がいいよ。TVでやってたわ」  付き合っている彼女だ。このクソ暑いなか、また一段と鬱陶しい事を言ってくれる。俺だってソレくらいは理解しているさ。冷房病ってヤツだろう。TVで連日放送しているから知ってるさ。嗚呼。五月蠅き哉。  オレは耳を両手でふさぎ、がぶりを振る。  とにかく口やかましくアレコレ彼女が五月蠅いので聞くフリをして窓から外を眺める。真っ青な空に真っ白な入道雲が浮かんでいる。真夏だな。しかし風流なソレですら、げんなりするほどの暑さを感じてしまう。  おもむろにエアコンの設定温度を一度下げる。  なんなんだよ。本当に……。  暑いぜ。  ちくしょうが。 「……だからエアコンのある部屋で不健康な生活を送るより、いい天気なんだからプールにでも行って肌を焼かない? 日光浴よ。きっと気持ちがいいわよ」 「悪いけど遠慮しておく」 「なんでよ。せっかくの快晴なのにさ」  TVをつける。  電話口の彼女にも聞こえるように音量を上げる。  …――連日暑い日が続くのでエアコンをつけて熱中症を予防して下さい。