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「…………」
「な、なぁ? 機嫌直してくれよ。酒が飲みたいからって手加減しないで修行を速く終わらせたことは謝るから」
「……」
「そうだ! 今日はモエルの好きな辛い食べ物にしよう! なっ?」
「……」
「どうしたら機嫌直してくれるんだ? なぁ……」
師匠が必死に機嫌を直そうとするがモエルの機嫌は直らず黙っているばかりであった。
モエルは修行を酒が飲みたいというだけで速く終わらせられたことも機嫌が悪い原因だったがそれだけではないのだ。手加減なしの師匠についていけずあっけなくやられた自分を情けなく思っているのだ。
「…ちょっと出かけてくる」
「……」
立ち上がり外に出ていこうとするモエルを師匠は止めようとはしなかった。何をしに行くのかがわかっていたからだ。
実はモエルは師匠との修行とは別に自分一人で隠れて修行をしているのだ。まぁ、ばればれなのだが・・・
「今はそっとしておこう。…禁酒しようかな……」
反省しよう。明日は真面目に修行をつけてやるか……
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