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「あぁ、冬将軍様のことは聞いたことあるはずだ。なんせもうこの地の半分を凍りつくしてきたお方だからな」
「こ、凍りつくしてきた? 何のためにそんなことを」
「全てが眠りにつく世界を作るため……そう天下凍一のためだ」
「天下凍一?」
「あぁそうだ。まぁお喋りはこれくらいにして……そいつ置いてさっさと失せな。武士のせめてもの
情けだ」
「そんなことできるわけないでしょ! なんでそこまでこの子に……」
「お前に教えることはない。置いて逃げないというならそいつもろとも殺すぞ」
「やってみなさいよ!」
「ふん、行け! 凍狼よ喰らってしまえ!!!」
ウオオオオオオオオオン!!!
冷鬼の掛け声とともに飛び掛ってくる狼たち
「修行の成果みせてやる!」
モエルは女の子を庇いながら……構えた。
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