二話 もう一つの炎

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「あぁ、冬将軍様のことは聞いたことあるはずだ。なんせもうこの地の半分を凍りつくしてきたお方だからな」 「こ、凍りつくしてきた? 何のためにそんなことを」 「全てが眠りにつく世界を作るため……そう天下凍一のためだ」 「天下凍一?」 「あぁそうだ。まぁお喋りはこれくらいにして……そいつ置いてさっさと失せな。武士のせめてもの 情けだ」 「そんなことできるわけないでしょ! なんでそこまでこの子に……」 「お前に教えることはない。置いて逃げないというならそいつもろとも殺すぞ」 「やってみなさいよ!」 「ふん、行け! 凍狼よ喰らってしまえ!!!」 ウオオオオオオオオオン!!! 冷鬼の掛け声とともに飛び掛ってくる狼たち 「修行の成果みせてやる!」 モエルは女の子を庇いながら……構えた。
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