二話 もう一つの炎

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ウオオオオオオオオンン!!! 「ふっ!!」 飛び掛ってきた凍狼たちをかわし、一匹に狙いを定め拳を放つ。 ドスッ! 「キャン!」 放った拳は凍狼の腹にめり込み、吹っ飛んでいった。 グルルルルルル…… 仲間を攻撃されたことに驚いたのか動きを止める凍狼たち。 「かかってこないの? じゃあこっちから!」 かかってこない凍狼にかわり、今度はモエルの方から仕掛けに行った。 一匹の凍狼に突っ込んでいくモエル。 グオオオッ! 突っ込んでくるモエルを迎え撃とうとモエルに対して爪を振り下ろす……が 「ほっ!」 それを跳んでかわし、体めがけて拳を打つ。 キャイン!! 背中に拳を打たれ地面に倒れる凍狼。 グオオオッ!!! 「おっと!」 飛び掛ってきた最後の凍狼の攻撃を懐に潜り込みかわして…… 「はっ!!!」 腹に拳を突き上げる。突き上げられた凍狼は宙に飛び、落ちてきたところをモエルは蹴り飛ばした。 「大した事ないね」 「ほぉ~すごいな……3匹相手に一人で……だがな、そんな攻撃で勝ったつもりか?」 「えっ?」 グルルルルルル…… 倒したはずの凍狼たちが起き上がっていたのだ。 「ふん、凍狼は体が雪で出来ているからな……並みの物理攻撃は通用せん」 「そんな……」 じりじりと凍狼たちが近づいてくる…… 攻撃したところで今みたいに復活するに違いない。 どうする……? 体が雪でできている?だったら炎で溶かせば……! 「ん? まだ戦うのか?」 「攻略法を思いついたからね」 「何? 攻略法だと……」 冷鬼は笑った。今ので何が分かったと言うのだ。 「うん……雪でできているなら溶かせば良いだけから」 「溶かす? 火もないのにか?」 「ないなら作ればいいじゃない。こうやって!」 ボワッ!!! モエルの額から炎が燃え上がった。 「!!!!!」 いきなり出てきた炎に驚きを隠せない様子の冷鬼と凍狼 「よし、第二ラウンド始めようか!」
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