一話 種火

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あれから14年もたった…… 赤ん坊はお師匠と名乗る者に育てられたのであった。そして炎の力を持っていることから モエルと名付けられた。 「お師匠--!!」 「なんだモエル。朝から大声で……」 「修行ですよ!! 昨日お師匠様が言ったんじゃないですか。明日は朝から修行だ!!ついて来い!!!って……」 「言ったかな~? 覚えてないから修行は無しだ。わかった?」 「嫌です! 今日は修行するんです。お酒たくさん飲むからそうなるんですよ」 「だって一度飲むとうまくって止まらないんだよ。子供にはわからんあのうまさ……思い出したら飲みたくなってきたなぁ……」 「駄目です!もういつもはちゃんと修業つけてくれるのに……昨日私の炎の火力が上がったとかで喜びすぎて飲みすぎて……お酒のどこがおいしいんですか!? 私も一度飲みましたけど、炎が言うこと聞かなくなって大変でしたよ」 「それはお前が子供だからだ。まだ炎も青色だしな。ちょっと飲んだだけで炎が暴走するとは修行が足りん証拠だな」 「修行が足りないと言うなら修行しましょうよ」 「……わかった。いいだろう、修行だ。やろう。やってやろう。また水と間違って酒を飲まれて暴走されたら嫌だからな。家が燃えるのも嫌だからな」 「わかってますよ。さぁ始めましょう」 モエルと師匠は外に出ると…… 「さぁ構えろ」 「はい!!!」
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