一話 種火

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双方構えを取った 瞬間…… ドン!!!!と激しくぶつかり合った。 その後は拳と拳を打ち合い続け合う。常人では目で追うことができない速さで戦っているのだ。 「ほら、どうした! 速さが落ちてるぞ!! もうスタミナ切れか!?」 そう言いながら弟子であるモエルに拳を打ち続ける。 「まだまだぁーーー!!」 負けじと師匠についていこうと拳を打つ速さを上げていくモエル。 「拳を打つことに夢中になりすぎだ」 拳を打つことに夢中になっているモエルの足元に足払いを仕掛ける……が 「ふっ!」 それを飛んで回避し、口から炎を吐きはカウンターを狙う。 「お前の炎は温い」 手で手刀を作り炎に向かって振り下ろすと、ズバッと炎が割れ、そのまま突きを繰り出す。 「うぐっ!」 まともに喰らい呻き声を上げるモエルに横蹴りで追い討ちをかけられ、倒れてしまう。 「て、手加減してくれないなんて…」 「すまん、やっぱり酒が飲みたいから速めに終わらせたぞ。これで今日の修行は終わり終わり」 そう言いつつモエルを抱え、帰ろうとするお師匠様。酒が飲みたいという理由だけで早めに修行を終わらせられたことに不満げそうなモエルだったが……お師匠様は強いなぁと改めて思うのであった。
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