エピローグ

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ふーん。そんなもんか、まあ人の好みだからね。僕は父さんがブラックコーヒーしか飲まないから僕もそうしてるだけだし。 あー、でもそう言えば。父さん、ごくごく最近は甘いのも飲んでるな。 疲れてるのかな?僕がそんなことを一人で、考えていると神妙な面持ちで凪響に尋ねられた。 「昨日の今日。だけどさ、その....」 「父さんと母さんのこと?」 「あぁ....無神経かもしんないけど」 そんなに気負う必要ないのにな。確かにこの前までは、けっこう辛かった。 だけど、今は凪響がいてくれるし。母さんが、戻って来てくれる手はずをしているみたいだし。 「大丈夫だよ。辛かったけど、今は充分幸せだよ」 「拓誠....良かった」 僕が凪響の問に対する意見を述べると、凪響は笑って僕の頭を撫でてくれた。 それから、少し談笑してから学校に向かい学園祭の後片付けをクラスでやった。 西田さん達に昨日の夜。教室で何やってたの?とニンマリ顔で聞かれたから、飲んでた水を吹き出してしまったけれども。 この何の変哲もない日常が。そして、凪響の傍にいたいなぁと思いながら。
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