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「わーかったわよ」
紫乃と呼ばれた女性は少女と向き合う。
「あなた、中学校生活で人間関係が上手く行かなくて自殺したわね。」
「え…。」
「思い出したくない?でも思い出さなきゃ先に進めないから更に言うけど、実際イジメみたいなこともされたわね?
仲が良かった子に裏切られたみたいな。」
少女の顔がみるみるうちに青ざめる。
「あなたの気持ち、分かるわ。誰だってあんなにうじゃうじゃ人間が集まる所なんか何の問題なく円満に過ごすほうが難しいのよ。あなたが通ってる中学校以外に一体いくつの学校があると思う?」
わからない…でもきっと多いと思う。
「小学校から高校までがイジメが勃発するとして、日本にあるのは小学校が22000校、中学校が10800 校くらい、高校が5000校。
それだけの分だけ様々な人間関係があってそこでトラブルがあって、その中でも、あなたと同じような環境下でも死なずに戦ってる子達も沢山いるのよ。
まず、あなたはそこから戦わずに逃げたということを自覚なさい。」
逃げた…のかな
ただわたしが死ねばみんなわたしをイジメたやつらがわたしを殺したと自分を責めて一生背負っていくんだと思ったから。
「そして更に言うわ。
あなたはまた生まれ変わった時、同じ課題をクリアしなければなりません。
また苦しい状況のやり直しよ。
二回もこんな経験したくないでしょ?
分かったなら2度と自分を殺してはダメよ。
自殺は自分を殺すのだから罪なの。
だからそうやって地縛霊みたいに一人で寂しい事になってるのよ。
」
少女はコクリとうなづく。
「でも、そんなに小さい身体で良く頑張ったわね。
もう今は頑張らなくていいの。
ただ安らかに心の傷を治す為に幽界で眠りなさい。」
眠り…?
「迎えも来てるわ。あなたの父方の祖母様よ。
さあ、行きなさい。
手伝ってあげるから。」
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