第1話

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 疲れきっていた私は、お風呂へ入り、机の上に置いておいた封筒を開封するのも忘れてそのまま眠ってしまった。たぶん酔っぱらいのせいなんだろう。  そして翌朝、事件が起こった。朝十時頃にドアが叩かれたのだ。無視しきれなくて目を開ければ、ダンダンと部屋に響いている。部屋の大気は冷えきっていた。 「……何。誰?」  眠い目こすってカギを開けると、そこに大家のオバサンが立っていて、いつになく真剣な顔をしていてびっくりした。 「お、オバサン? どうしたんですかそんな息切らして」 「メルちゃん、大変よ! 店長さんが……!」 「店長? あの酔っぱらいが何か――」  塀を守ってた店長が、魔物に襲われて死んだらしい。
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