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堅物そうな埋葬師。名前は知らない。真面目そうな見た目と佇まいだが、人間性はそれほど精錬でもない。どちらかといえば、嫌味なタイプの人間だ。この男とは以前、別の埋葬の現場で出会ったことがある。
「……そうね。さっきはどうも。うちの店長がお世話になりました」
ペコリと素直に頭を下げると、埋葬師はなんだか静かになった。
「……なんだ、あのご遺体の関係者か」
「そうよ。悪い? うちの店長様よ。副業で門兵やってたの」
「悪いことなど何もない。立派に戦って殉死したんだ。笑われることなど何もない」
らしくもない真剣さ。男は皮肉屋であるより前に埋葬師だったらしい。
「そうだね。ありがとう」
熱心な男に埋葬されたようだ。なら安心だろう。けれど、男はどこか確かめるように言ってくる。
「……彼は、魔法使いだったか」
「ええ。いくつかの系統を、それなりに。天才ではないけどベテランだった。アイス売りとしても、魔法使いとしても」
「…………」
よく分からない。何か考えこんでいる。
「……何なの? その辛気臭いローブで黙り込まれるとしんどいんだけど」
「妙な感触だったが、気のせいか……いや、少し調べてみるか」
何か、一人で勝手に納得したらしい。
「……何?」
「いや何も。なるほど。羨ましい限りだな。複数系統の攻撃魔法を使えるだなんて」
言われて、思い出した。この男と出会った時のこと。
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