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確かに、紗耶香が死んで真っ先に壊れたのは、母さんだった。
母さんが綾香を紗耶香と重ねて見ていたことも、辛くて虐待まがいのことをしていたことも、分かっていた。
だが、俺は止めなかった。
俺も、母さんに便乗していた。
二人とも、綾香の苦しみや傷など、気にもとめなかった。
…それが、間違いだった。
綾香は心を閉ざし、機械のようになってしまったな…。
それを見て、母さんはもっと壊れたんだ。
俺も、ショックを隠しきれなかったな。
どうやって接したらいいのか、分からなくなった。
だから、それまで以上に辛く当たった。
…ずっと、この悪循環だった。
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