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「今更こんな事を言ったところで言い訳にしか聞こえないだろうが…
これだけは信じてくれ。
俺達は、お前のことを邪魔だと思ったことなんて、一度だってないんだ。」
お父さんは、そう言い切った。
二人とも…なんで今更…どういう心境の変化なのかな?
私は…邪魔者じゃなかったの?
お父さんの目を見据える。
今ようやく見ることができた、お父さんの目。
その目は澄み切っていて…さやが死ぬ前の、優しい目をしていたんだ…。
信じても、いいのかな…。
また、裏切られない?
こんなときでも脳裏に蘇ってくるのは、あの悪夢のような日々だった。
一人で縮こまっていた、辛く、苦しい、孤独な日々。
また信じて、裏切られるんじゃないだろうか?
「綾香。」
浦原が、呼びかけてきた。
「綾香は今までがんばったよ。
だから、もう疑わなくていい。
人を信じるのはまだ怖いかもしれないけどさ…もし綾香が裏切られても、私達が助けるから…
裏切った奴を、ボコボコにするから!!
だから…信じていいんだよ?」
浦原…
私は、信じていいんだね…?
再びお父さんを見据える。
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