219人が本棚に入れています
本棚に追加
/378ページ
「わかりました…
家に、戻ります。
信じて…みます。」
ぎこちないのが自分でも分かるほど、ガチガチだったが、この一言を呟いた後、森林公園に歓喜の声が上がった。
浦原なんて、泣いている。(笑)
そう言った後、なんだか肩の荷が下りた気がしたんだ…。
「ありがとう…綾香。
これで母さんも救われるよ。」
「おじさん!!もっと素直になったらどうですか??(笑)」
浅木がお父さんの肩を叩きながら、そう言った。
私は思わず、笑ってしまった。
本当に、私達家族は皆素直じゃない。
何かと理由をつけて、理屈をつけて…。
その繰り返しが、私達家族をこんなに歪めてしまった。
ずいぶん遠回りをしたけれど…
ようやく、家族になれることが出来た…のかな?
"本当の家族"って、皆一緒に暮らして、仲がよくて…というのとは違うんじゃないかな、と思う。
それぞれの人がいるように、それぞれのカタチがある。
"家族"と言ったところで、所詮は元々別の意志や考え方を持っている、違う人。
つまりは他人。
他人で、同じではないから、衝突したり突っぱねたりもする。
でも、"家族"という縁で結ばれているからこそ、許しあって、分かり合える…。
"友達"という感覚に似ていて、それ以上。
それが、"家族"なんだと思う。
最初のコメントを投稿しよう!