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後ろから、声が聞こえる。
「綾香!!いつまでそんな所にいる訳?
先いっちゃうよ!」
「あ、待って!!」
私は止めていた足を、再び動かし始めた。
ほら、振り返ればいつでもみんながいる。
浦原がいて、浅木がいる。
家に帰れば真衣がいて、お父さんがいて…姿は見えないけど、お母さんがいて、さやがいる。
以前みたいに一人暗闇でもがいていなくてもいいんだ。
私は少しずつ、進んでいく。
前をしっかり見据えて…。
大丈夫。今は独りじゃない。
まだ他人を信じることは出来ないけれど…
今目の前にいる、この"仲間"は信じられる。
信じていい、と実感できる。
みんなに助けられているから、支えられているから、生きていける。
そして、自分の傷と向き合うことが出来たら…
きっと、人を信じることも出きるんだろう。
それまで、無理はしない。
それでいいんだよね…
お母さん…さや…。
私は、新しい"道"を歩き出す。
"仲間と共に"
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