こんにちは

3/4
前へ
/40ページ
次へ
「こんにちは」 楽しみにしていた休日の昼間。 1週間の疲れも溜りに溜まっていたため部屋で惰眠を貪ることを決めて、目覚ましのセットを解除し、布団の中で2、3度寝返りを打ったときだった。 「こんにちは」 聞き覚えのない声が玄関から聞こえる。宅配の指定もしてないし、親から仕送りの連絡もない。 大家さんや隣近所の部屋の人でもなさそうだし、第一なぜチャイムを鳴らさないのか。 よくあるセールスとか宗教の訪問勧誘の押しかけかもしれないし、正直今はなんでもめんどくさい。 「こんにちは」 『いません』と心で言いながら、本日4度目の寝返りを打ち、このまま居留守を決め込むことにした。 「こんにちは」 しつこい。っていうかいい加減チャイムを鳴らしたらどうなのか。壊れてもいないはずだ。 「こんにちは」 はいはい、居ませんよ。 「こんにちは」 しーーーん。 「こんにちは」 おやすみなさい。 「こんにちは」 …… 「こんにちは」 「こんにちは」 「こんにちは」 「こんにちはこんにちは こんにちは   こん にちは こ んにち は こんにちは こ んにちはこん に ち はこ んにち は こんにち  は こんにちはあ こんに ちは  こんにち は こ  ん に ち は こんに ちは こん にちは こんにちは こん にちは こんにちは こんにちはけこんに ち は こ んに ちは こんにち は こんにちはこんにちは こんにちはろ こんにちは こ んにち は            こ                     ン   ニ                                                              ち                                                                            は                                                        」
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加