とも-影-だち

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私がまだ5歳くらいの頃、近所の公園で仲良くなった子がいました。 歳は覚えていませんが、小学中学年くらいだったと思います。 公園には、毎週土日の午後に母と立ち寄っていて、母が友達とお喋りに夢中になっている中、その子に誘われて母が帰ろうと言うまで遊んで待っていました。 彼女は決まって4時には帰る子だったので、母にとっても有難かったと思います。 「綺麗な子ね~」 見た人は母を含め、必ずそう言いました。 きめ細やかな白い肌と、対照的な真っ黒の、波打つように靡く長い髪と、人形のような端麗な顔だちの、非常に美しい子だったことは今でも鮮明に思い出せます。 毎回日陰で遊ぶので、多分、透けるような白い肌はそれが原因なのでしょう。 いつだったか、普段もそうしていると聞いたことがあります。 何故そうしているのか気になった私に対し、彼女は 「おひさまが怖いの」 とだけ言いました。 私は特に深く考える年頃でもありませんので、「ふーん」とだけ返して、また拾った枝で地面にお絵かきをすることに戻りました。 「きっと肌か、身体が弱いのよ」 そのうち、周りはそう捉えるようになっていました。
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