ある晴れた昼下がり

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そうして電車に揺られて降りた駅。私の目に飛び込んで来たのは信じられないほど深い青の海だった。 あぁ、なんて。 訳もなく涙が出そうになるのを堪えると、喉の奥がキュッと苦しくなって、私はやっぱり堪え切れずにただ泣いた。 私のふるさと。 初めて降り立つ土地なのに、そんな言葉がストンと胸に落ちる。それがとても心地良くて、私はやっと涙を止めることが出来たのだった。 それからこの土地の案内図を探した。駅を出てすぐ、ボロボロになった案内図らしきものを見つける。どくん、心臓が跳ねたのがわかる。確信めいたものが私の中に芽生える。一歩ずつ近寄れば、段々とハッキリしてくる案内図。そうしてやはり、その案内図は母の地図と合致したのだった。 もしかすると、この地図を描いたのは祖父だったのかもしれない。 案内図と地図を照らし合わせ、一番近い印に行ってみよう。とその前に、自動販売機でよく冷えたお茶を買った。冷たいお茶が心地よい。燦々と降り注ぐ太陽の光、潮風の匂い、時折り吹く潮風に身を任せるように歩く。なんて気持ちの良い街だろう。 そうやって歩いて数分、たどり着いたのは神社だった。せっかくだ、この地図の意味が少しでもわかるようにお願いしていこう。 お参りを済ませ、私はこの一際大きな赤丸を目指すことに決めた。 そこには一体何があるのか。
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