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俺の親は普通の会社員で、ごく普通の家族といってもいいくらい普通だった。
俺も何不自由なく高校、大学、そして就職するまで過ごしてきた。
でも正直何一つ楽しいとは思わなかった。
まぁこれは多分俺が悪いんだけどな。
他人に合わせて、自分の意見言わず、面倒臭い事から逃げて、ただ流れるままに生きてきた自分が許せなかった。
就職したら少しは変わるとか思っていたけど、そんな事はない、更にそれは酷くなるばかりか、日に日に何でこんな事してるんだろうって思うことばかりで、もう何もかもが嫌になっていた。
そしてそんな時に出会ったのが名前は忘れたけど、ある人のドキュメンタリーの本だった。
世界一周の話。
この本を読んで思ったんだ。
単純なんて言われたらそれまでだけど、俺もやろうって。
どうせつまらなく、ただ死ぬだけの人生なら最後に思うままやってやろうって。
この旅で自分の人生が変わるかどうかなんてわからない。
でもこの旅できっと何か変わると信じたい。
全部捨てる覚悟は出来てる。
そしてこの旅で死んでも構わない。
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