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「こらっ、朝っぱらから不埒な行為に及ぶな」
「うん……」
再び抱きしめようとして、豪太は顔を顰めた。
「遼さん、酒くさっ」
「あー、ごめん。ゆうべ、飲んで、」
「はあ? 僕の留守中に?」
「うん、家呑み」
「家呑み~!?」
豪太が素早く目を走らせた。
「あっ、グラスが2つ出てる! 誰と? 誰と飲んだんだよっ!」
「心配するな。女とだ」
「女、って……、ならいいか。いいや、よくないっ!」
「ああ、もう、うざい。飲んだだけだよ。俺が女に何かするわけ、ないじゃないか」
ぶつぶつ文句を言う遼を無視して、豪太は足元に転がっていた酒瓶を拾い上げた。
「これ、僕の秘蔵のウィスキーじゃないか。大事にしまっておいたのにぃ。今度の連休にあなたを酔いつぶそうと思って! 酔っぱらったあなたって、ほんと、かっわいくて、あんなことやこんなこと、し放題……」
「お前、心の声がダダ漏れてるよ。恥ずかしいから、しっかりフタしとけ。だから、元カノと飲んだの」
「あいつら、みんな、新しいカレシとラブラブだぜ? あなたと飲むなんて、ありえないっつーの!」
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