2 瑕疵物件

14/23
前へ
/84ページ
次へ
「……元の住人の」 「え?」 「元の住人の元カノ。ゆうべ、その人が、間違ってこの部屋に入ってきて、」 「間違って? だって、鍵かけておいたんだろ? どうやって入ってこれたのさ」 「だから、合鍵、持ってて」  不審そうに豪太が首を傾げた。 「鍵は、変わってる筈だよ」 「変わってる……?」 「入居の時、付け替えた。それに、あなたを保護した際にも、付け替えたし、」 「ああ、俺を拉致監禁した時な」 「……、その後、また、つけ変えた」 「? なら、どうやって入ってこれたんだ?」 「こっちが聞きたいよ。まさかそれ、変な人じゃないだろうね? 冗談じゃないよ! ゆうべ、本当にちゃんと鍵、掛けたんだろうね?」 「掛けた」
/84ページ

最初のコメントを投稿しよう!

98人が本棚に入れています
本棚に追加