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「どこにいんだよ! その女はっ!」
豪太が後ろを向いて、どん、と、一歩踏み出した。
「あっ、ぶつかるっ!」
遼は叫んだが、少し遅かった。
豪太と女性は正面衝突し、女性の体が、宙に舞った。
……宙に? 舞った?
女性は、まるで紙のようにくるりと翻った。
そのまま、天井近くまで舞い上がっていく。
……うそ。
一回転してこちらに向けられた女性の顔は、けたけたと笑っていた。
長い黒髪が、落ちてきて、ばさりと顔を覆った。
……!
女性とぶつかった豪太は、なにごともなかったように、そのまま、部屋の奥まで歩いていく。
「ほら、誰もいないよっ!」
豪太が言った時だった。
「! ーーーっ、!!!」
天井から、ナイアガラの瀑布さながら、大量の水が落ちてきた。
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