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「寝たばこ、疑われた」
数日後。
憮然として、豪太は言った。
あの日。
どういうわけか火災探知機が働いて、スプリンクラーが作動したらしい。
濡れ鼠になったのは主に豪太で、遼は、無事だった。
「お前が、彼女を見てやらなかったからだよ」
笑いをこらえて、遼は言った。
「見えないものは見えないよ」
むっとしたように豪太が言い返す。
部屋が水浸しになってしまったので、彼は今、遼の部屋に居候している。
遼の部屋は、ワンルームだ。窮屈なんてもんじゃない。
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