2 瑕疵物件

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**  「寝たばこ、疑われた」  数日後。  憮然として、豪太は言った。  あの日。  どういうわけか火災探知機が働いて、スプリンクラーが作動したらしい。  濡れ鼠になったのは主に豪太で、遼は、無事だった。  「お前が、彼女を見てやらなかったからだよ」 笑いをこらえて、遼は言った。 「見えないものは見えないよ」 むっとしたように豪太が言い返す。  部屋が水浸しになってしまったので、彼は今、遼の部屋に居候している。  遼の部屋は、ワンルームだ。窮屈なんてもんじゃない。
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