1 顔を見たら

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「や、それ、や」  口でするのを、遼はいやがる。  自分はすぐに、豪太のを咥えるくせに。 「遼の体、いやがってない」 ちょっとだけ口を離し、豪太は伝えた。 「ぬめぬめしてる。すごく、いやらしい」 すぐにまた、口に含む。  「だから、いやなんだって!」 「にゃぜ?」  口に含んだまま、もぞもぞと問う。  掠れた声で、遼が答えた。 「お前を……、汚してるみたいで」  ……まだ、そんなことを。  自分を低く見るようなその見方を、豪太は腹に据えかねていた。  ぎり、と、先端に軽く歯を立てた。 「やめっ!」  うめき声がして、髪をつかまれた。  構わず、強く吸いあげる。 「やだ、やだやだやだ」  か細い声で啼く。  ……だめだよ。そんな声、出したら。  ……止めれるもんも、止めらんない。  無言で攻め立てた。  先を口に含んで吸い、茎を両手で激しく扱く。  猫の仔の啼くような声がした。  口の中いっぱいの遼の味を、豪太は飲み下した。
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