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一週間前に起こった忌々しい事件。
今でも昨日のように感じる。
犯人は俺を狙っていた。
それなのにこんな俺を庇ってアイツが刺されてしまった。
悲鳴がそこら中にあがり、見知らぬ誰かが救急車を手配してくれた。
俺は泣くことしか出来なかった。
「大丈夫だって! 泣くなよ。 ゲホッ、お前が無事で良かった」
そんな俺に対してアイツは苦しそうな顔で笑顔を見せた。
そんなアイツの顔色は悪く、出血が酷かった。
犯人は捕まってこう言った。
誰でも良いから刺したかった………と。
俺達の住んでいる場所は田舎で、都会ほどの医療技術がまだない。
アイツが刺された場所は幸運なのか不運なのか、死んではいないが、最新の医療技術でないと治せないらしい。
最新の医療技術は発表されたばっかりで予約はいっぱいだ。
しかし早くしないと確実に手遅れになってしまう。
だから俺は旅に出た。
一刻も早くアイツを救ってやるために。
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