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「ん、なんだ?」
「ああ、あれはなあ……」
「――! あのバカッ!」
店主が、体に似合わない小さい声で何かを考えながら説明しようとしたその時、少女は駆け出した。
舌打ちをして、まるで自分の命の危機のような焦りを見せながら。
「お、おい、プルア!」
「大丈夫です。僕が様子を見てきますから」
「そ、そうかい、じゃあ兄ちゃん、頼むよ。俺も店を開けるわけにはいかないからな」
「はい、任せてください」
踵を返し、ローブを翻しながら少年は街の中央部へと向かう。
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