事件

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「おかしい、おかしいわ、こんなの。だって、だってキオロはやってないっていってるのに」 「ふん、そんな証拠がどこにある。やってないと言うな」 「しょ、証拠は……ないけど……」 「だったらそこを早く退け」 「イヤ! だって、やっぱりおかしいわ。ほんとにその人が落としただけかもしれないじゃない!」 (やっぱり……やっぱりそうだ。この子は) 似ている。彼はまたしてもそう思った。後先考えず行動すること、強い正義感を持っていること、そしてなにより…その強い瞳。彼はまたしても思い出す―― 「なにい! この私を愚弄するか。この小汚い小娘がっ。構わん、そいつは斬ってしまえ!」 「運が無かったな娘。ハアッ!」 「――ッ!」 キンッ!! 「……え!?」 少女が瞼を開けると、そこには驚く光景が広がっていた。 「な、何だ貴様はっ!」 「え、お兄ちゃん……?」
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