泡と淡水魚

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でも、人間は自由じゃない。 死んだ後も自由じゃないのなら、我慢がどうしてもできない。 行った時?確かにない。ただ、そんな気がする。 生きていた時は、自由じゃない。でも、それが普通なことで、今まで気がつかなかった。 けど、死んでしまったら……。 本当の自由を探すのが当たり前なのではないだろうか。あの世へは行かずに……逃避行……。そう、何者にも私たち二人は束縛できない。 彼は好きだった。 でも、今は新しい彼と海にいたい。 それが、自由というもの。 きっと毛利さんも同じ考えを持ったはず。 きっと、恋人もいて。 忘れたくて。 死んだことも忘れたくて。 高校生活も、大学生活も、社会人も、自由は得られない。 あの世も自由じゃない。 だからなのだ。神様は私たちに自由を与えたのだ。
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