『おかえりなさい』

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玄関のドアを開けると聞こえてくる女性の声。 俺はその声に心癒され玄関を上がっていく。 リビングのソファに腰を下ろした彼女のもとへ、俺は一目散に駆け寄る。 「ただいま。今日も仕事疲れたよ~」 彼女に抱きつき胸元に顔を埋めると、つい仕事の愚痴をこぼしてしまう。だけど、彼女は文句ひとつ言わない。柔らかな笑みを浮かべたまま、俺の愚痴を聞いてくれている。 少し肌は冷たいが、甘い花のような香りが俺の心を癒してくれる。 彼女は俺の大切な奥さん。 まだ、数日前に結婚したばかりだ。 周囲からは反対され、なかなか結婚に至れなかった。しかし、反対されるほどに俺たちの愛は燃え上がり、躍起にさせた。 我慢できなくなった俺たちは、周囲を振り切って暴走ぎみに結婚したのだった。
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