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だめだ、頭では分かってた。
でも、放っておけなかったんだ。
「お前、先生を探してんのか?なぁ、それ俺が手伝ってやるから、悪さすんのやめろよ」
『セン、セ……サガス?……テツ、ダ……ウ……?』
「あぁ、俺がお前の先生を見つけてやる、だから……」
俺はそこで言葉をきった。
ニヤリと犬歯を見せて口を歪めた黒猫がみるみるうちに俺の2倍くらいの大きさまで膨れ上がった。
『カラダ……チョウ、ダイ……セン、セノ…トコ、イク』
もはや口だかすら分からない黒い塊がガバァッと開きながら迫ってくる。
喰われる。
1分前の俺をまじでぶん殴りたい。
なんで声かけたんだ。
そのまま宗介かついで逃げれば引っ掻き傷ですんだかもしれないのに。
恐怖のせいで声もでなければ指1本すら動かせない。
もう、だめだ……
「おー、随分派手にやってんな」
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