真冬の蛍-後編-

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「まろとみこ、見つけたって?」 「うん、湖の近くにあったって~。樹齢70年以上ありそうな大きな木。でも3本しかなかったって」 「うん、大丈夫。充分だよ」 「木なんてどうするんですか?」 なんの話か全く分かんないんだけど。 「お楽しみだよ。これ翔と亜狐も見たことないだろうしね」 少し自慢げに笑う雅人さんに不謹慎ながらもワクワクしてしまう。 「いつやる?」 「注連縄準備してー、つけてこなきゃいけないから……」 パラパラと手帳をめくる雅人さん。 「うん、明後日がいいかな。ちょうど日もいいし」 「だったら亜狐、翔。あのジーサンのとこ行って明後日の19時、湖に集まるように伝えてこい」 「はいはーい」 「分かりました」 翔さんと亜狐も不思議そうな顔の中に期待を覗かせている。 「あのっ、俺も何か」 1人だけいつまでも布団で寝ているわけにはいかない。
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