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腕を強く引かれぎゅうっと抱きしめられる。
そんなふうに言われたらイエス以外返し用がないじゃんか。
「すみません、でした……」
怒られてるのに、心配してくれたことが嬉しいと思ってしまってる俺は少し、いやかなりやばいかもしれない。
その答えに満足したのかポンポンと頭をなで、雅人さんのところへ戻っていく悠一さん。
「恭弥!雅人さんを宿まで運ぶから肩を貸してくれ」
「あ、はい!」
翔さんに呼ばれ行こうとして、一瞬立ち止まる。
振り返った湖はゆらゆらと穏やかに波打ち、最初に見た時とはまるで別物かのように優しい自然だった。
この村はこれからきっと変われるはずだ。
いくつもの悲しみと犠牲があったけど、それでもみんなちゃんと前を向いて立っていられてる。
蛍のような小さな光だって、たくさん集まれば何かを照らし出すことが出来るんだ。
真理子さん、
あなたの望みが実現するまで、もうしばらく見守っていてあげてくださいね。
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