天使の歌声

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「ふぁ~、事務所あったかい~」 鼻の頭と頬を真っ赤にして飛び込んできた亜狐。 そういう俺も室内なのにマフラーをぐるぐる巻きにしている。 「今日は一段と冷えるよな……」 悠一さんなんか毛布被ったままデスクから動こうともしない。 雅人さんにホットミルクを入れてもらっている亜狐を見ていると事務所の階段を駆け上がってくる足音が聞こえる。 ん?翔さんがランニングから帰ってきたのか? 「たのもーーー!!!」 しかし予想に反して入口を勢いよく開けたのはスラリとした足を惜しげも無く晒す美女。 この気温にも関わらずショートパンツに薄手のセーター1枚だ。見てるこっちが凍える。 「悠一、いる?」 艶やかなボブヘアーが揺れる。 「あ、悠一さんなら……」 デスクを指そうとするとさっきまでは毛布にくるまっていたはずの悠一さんが消えていた。 「あれ?」 「逃げたわね。雅人クン、奥、入ってもいい?」 「うん、どうぞ」 この人、雅人さんとも知りあいなんだ…… 一体誰なんだろ。
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