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その後しばらく沈黙が続いたと思うとバタバタと音がして満面の笑みを浮かべた女性が出てきた。
「あ、悠。今回は随分早く出てきたね」
その後から心底機嫌の悪そうな悠一さんがのそのそ歩いてくる。
「悠季ちゃん、なにか飲む?」
「ホットコーヒーで!ほんと雅人クンは気が利くなぁ。コイツなんかより所長向いてると思うけど」
パシパシと音がするほど強く悠一さんの肩を叩くハルキちゃん、と呼ばれた女性。
う、わぁ……悠一さんにそんなことできる人存在したんだ……。
「僕は所長って柄じゃないよ。はい、コーヒー。それより今日はどうしたの?突然」
ソファに腰掛ける雅人さんを見ながら俺は亜狐ににじり寄る。
「ねえ、あれ誰?」
「僕も初めて見たよ~」
亜狐が知らないってことはそこそこ古い知り合いなんだろう。
歳は雅人さんや悠一さんと同じくらいだろうし。
「ちょっと調べてほしいことがあって、ね」
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