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潤んだ瞳で悠一さんを見つめる悠季さんになんだかモヤッとする。
2人は美男美女でそのうえお互い砕けた雰囲気だし……
俺なんかといるよりよっぽどいいのかも、なんて。
何考えてんだ、ばか。
「とりあえずその子のお母さんにでも話ききに行きます?」
「そうね。悠一も行くでしょ?」
悠季さんの問いに少し考えた悠一さんは
「あー……俺は別のところから調べる。お前らで行ってこい。その代わり……」
悠季さんの肩を掴んで耳元へ口を寄せる、
その姿がなんだかドラマのワンシーンみたいに思えてチクリチクリと刺されるみたいな痛みが心臓を襲う。
悠季さんに何か伝え終わったのか顔を離して俺の方に来る悠一さん。
「……何拗ねてんだよ」
「拗ねてません」
なんでか俺の気持ちをズバリと言い当てられ尚更気に食わなくて顔を背ける。
そんな俺をみて楽しげに笑った悠一さんはあいも変わらず頭をなでて
「気をつけて行ってこいよ」
とか言うから仕方なく頷いて悠季さんの部屋をあとにした。
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