紫根の瞳

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「やっぱりボクじゃ全然ダメか~」 口を尖らすエディに笑う。 「おもしろいくらいに動揺しなかったねぇ」 亜狐が同意の言葉を並べると話の流れが理解できてない翔が不思議そうに顔を見比べる。 そんな翔の頭をポンポンと撫でると少し不安そうに眉を下げながらも落ち着いたみたいだ。 翔はかわいいなあ。 「ユーイチと一緒の時はあんな顔してたのに……」 「あんな顔って~??」 反射的に翔の耳を両手で塞ぐ。 「蕩けそうでえっろい顔」 残念そうな顔をするエディ。 「エディ、恭弥くんのそんな顔みたら悠に殺されるよ」 そっと翔の耳から手を離してあげると首をかしげながら見下ろされる。 獰猛な狼を飼い慣らしてる気分。 「確かにそうだけどさ~。でもあんなにあからさまに好きです~って顔にかいてあったらユーイチが手放せなくなるのも分かる気がするね、キョーヤ自身は無自覚みたいだけど」 ニヤリと笑うエディを見て心の中で悠に謝る。 ごめんね、また冷やかし部隊増えちゃった。
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