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「恭ちゃん!」
ヘッドホンとフード越しでも聞こえるでかい声。
「んだよ宗介」
まだ12時を過ぎたところだけど今日の講義はもう終わりだ。
「この前の一体何があったの!?」
「この前?」
何のことだと記憶を巡らせていると
「幽霊の話!恭ちゃんと教室行ったとこまでは覚えてるけどその後記憶ないんだけど!!気づいたら同好会の先輩に介抱されてて、先輩も何も知らないっていうし恭ちゃんいないし……」
泣きそうな顔で見られると邪険にもできない。
「わ、悪かったよ」
ガシガシっと宗介の頭を撫でる。
「恭ちゃん……?」
「幽霊はもういないから安心しろ。もう心配いらねえよ、全部解決した」
「そういうことを言ってるんじゃなくてさ~……」
ピリリリリリ
「あ、わりぃ」
ふくれっ面をしている宗介をなだめて電話に出る。
「もしもし」
『あ、恭弥くん。突然ごめんね、今大丈夫?』
「はい、大丈夫っすけど」
電話口から聞こえた雅人さんの声。
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