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「なにはともあれみんな無事で良かったよ」
ハンドリムを操作して俺達に近づく寛治さん。
「悠一、気分はどうだい?」
「親、父……?」
気だるそうに少しだけ頭を持ち上げた悠一さん。
「すまなかったね。助けに来るのが遅れてしまって」
父親の顔を覗かせる言葉に、ふ、と息を吐いて、
「信、じてた……ぜってぇ、来る、って……」
はは、と笑う悠一さんを見て寛治さんまで目を丸くしている。
「これは本格的に薬がキマっているようだ。蓮巳、処置を頼むよ」
クツクツと笑いを抑えて蓮巳さんに指示を出す。
「かしこまりました。悠一様、帰りましょう」
「帰る……?」
ああああああ!!!
悠一さん子供みたいでほんっっっと可愛いんだけど!?
「そうですよ、悠一さん。帰りましょ?」
「お前、と……なら帰、る……」
「うわっ、」
ガクッと一気に力の抜けた悠一さんを俺と蓮巳さんで支える。
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