あの日の言葉

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「……なによ、なんなのよその顔は!!!」 葉山さんの顔を指差しまくし立てる浅野さん。 当の葉山さんは悲しみに満ちた顔で真っ直ぐに浅野さんを見つめ返している。 その瞳にうつる悲しみは、親友に裏切られた自身へ向けたものではなく、目の前で悲痛な叫びをあげる浅野さんに向けたもの。 「あんただって私のことなんかただの引き立て役くらいにしかおもってなかったくせに!!どうせ私は……」 パシン、と乾いた音か室内に響く。 呆然とした様子で自分の左頬を押さえる浅野さん。 「私自身を悪く言うのは構わない……けど!私の由梨に対する気持ちを否定するのだけは許さないよ」 もう1度右手を振り上げた彼女に浅野さんが身構える。 「っ、……!?」 「由梨も私を傷つけた、私も由梨を傷つけた。これでお互い様だよ」 まるで包み込むようにぎゅうっと浅野さんを抱きしめる。 「っ、いい子ぶらないでよ!あんたが考えてることなんて……」
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