あの日の言葉

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「っ、ふ……ぁ……ん、んんっ!?」 もうほとんど身を任せてしまおうかと思ってきた頃、口の中に押し込まれるカプセルのようなもの。 突然のことについ、それを飲み込んでしまう。 「……、は……悠一、さん……なに、」 「2分オーバーした、お仕置き」 理不尽にも再び唇を塞がれ息をつく間もないようなキスが繰り返される。 あーもう、何してんの俺。 雅人さんたちだって気ぃきかして出てっちゃったじゃん。 つかここ、大学だしさあ…… だめだ、酸欠で頭ぼーっとする。 ガクン、と膝から崩れ落ちそうになる。 支えてもらったはいいけど、足に力が入らない。 それどころか瞼も重くて、なんだかふわふわする。 「っ、??」 混乱する俺を抱えるようにしてソファに連れていってくれる悠一さん。 「……あ、……れ、……俺……」 おかしい、そう言おうとしたのに俺をソファに座らせた悠一さんが隣に腰掛けてそっと俺の瞼を覆うから、 その薄暗さとひんやりとした手のひらが心地よくて。 俺の意識はゆっくりと沈んでいった。
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