あの日の言葉

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「翔」 「はい」 廊下で待っていた僕らに声をかける悠。 室内に戻ればソファで静かに寝息をたてている恭弥君の姿が目に入る。 「流石、GIE仕様の超即効性睡眠薬だね」 「先に戻ってろ」 軽々と恭弥くんを背負った翔にそう告げると今度は自分がソファに身を沈める。 「流石に焦った?」 翔と亜狐が出ていったのを見て問いかければため息だけが返ってくる。 沈黙は肯定ってね。 「……許可すべきじゃなかったと思うか?」 悠が、こんなふうに僕に意見を求めるのは本当に珍しい。 確かに憑依は凄く危険な行為だ。 恭弥くんを見ていて分かるように霊の気持ちと自分の気持ちが混合してどちらが本当なのか分からなくなってしまう。 そして、憑依の時間がながければ長いほど霊と自分の境界線が曖昧になってしまう。 それに加えて恭弥くんは、霊の声が聞こえて、全てを理解しているからこそ影響を受けやすい。 だけど、 「間違ってると思ってたらもっとはやく止めてるよ」
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