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「それとも、止めた方がよかった?」
「……昔の俺なら、3分過ぎたら問答無用でやめさせてた。つーか初めから憑依なんて危険な選択肢はとらせなかった」
ガリガリと頭をかきながらため息を吐く悠。
「……あいつにあの顔されると、」
「甘くなっちゃう?」
その言葉にピタリ、と動きを止める。
「いいんじゃない、それでも」
そう言えば怪訝そうに眉をひそめて睨みつけてくる。
「いくら甘くなっちゃうっていっても悠が私的な感情だけで物事を判断するとは思ってないし、恭弥くんなら出来ると思ったから許可してるんでしょ?もしもの時は僕だって意地でも止めるし」
ハイリスクハイリターンなんて言葉もあるように、今回だって恭弥くんがリスクを負った代わりに最善の結果が得られたわけだし。
「悠が間違えそうになったら僕が止める、僕が間違えそうになったら悠が止めてくれる。僕らずっとそうしてきたでしょ?今更心配しなくても大丈夫、悠が正しいと思うようにやればいいよ」
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