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あれから数日経つというのに、悠一さんは毎日のように俺に変化がないか確認してくる。
言葉には出さないけどな。
「圭さんの影響はもう残ってません、ほんとに大丈夫ですから……」
だから、そんなに心配そうな顔をしないで欲しい。
「……あの霊とは、随分相性がよかったじゃねぇか」
細められた黒い瞳にどきっ、と胸が鳴る。
ばかだなあ、この人も。
「昔の俺なら、あそこまで同調しませんでしたよ?」
ってか、心配してくれてるなら素直にそう言ってくれたらもっと可愛げあるのに。
意味がわからなそうに少し眉をしかめる顔を見て頬が緩む。
「圭さんの葉山さんへの想いと同じくらい……いや、それ以上に強く、大切だって想える人が俺にもいるってことですよ」
「……妙に素直で気持ちわりぃな、やっぱまだ影響受けてるじゃねぇか。お仕置き、だな」
「へっ、な、なんで!?」
思わぬ方向に話が進んでしまいグイッと近づけられた悠一さんの顔にぎゅっと目をつぶる。
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