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しびれを切らしたように声を張り上げるエディさん。
「波多野が?」
「うん。というか実は……」
チラリと舌を出してイタズラがバレた子供のように笑うエディさん。
「ジンも一緒に来てるんだ」
ひょっこりと事務所の扉から顔を覗かせた波多野さん。
「ほらあ、やっぱりエディじゃ説得できないでしょ?」
「む~、ボクもまだまだかあ」
2人で楽しそうに話しているが俺たちにはどうにも話が見えてこない。
「お前らいいから……」
「たくさんの子供や女性、弱い者達が犠牲になってる。僕らがこうしている今も」
悠一さんの言葉に食い気味に被せられた波多野さんの言葉は、ただならぬ事態を感じさせるもので。
「ね、悠一。話だけでも聞いて?」
そんなふうに言われてしまえば、きっとこの人は……
「……亜狐、コーヒー」
舌打ちをしながら頭をガリガリとかきむしる。
「さっさと話せ」
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