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その先は言わなくても理解出来た。
「狙われるのは決まって力の弱い子供や女性。反吐が出る、人間の方が余程悪魔みたいな事、してるんじゃないかな」
心底嫌そうに吐き捨てる波多野さん。
「まさか、今回の依頼って……」
なにかに気づき目を見開く雅人さん。
「ファントムが心に何かしら恨みや妬み、黒い感情持ってる人を集めた宗教団体みたいなものを作ったんだ。まあ実際は宗教団体なんて生ぬるいものじゃないけど……」
ここまで聞けば流石の俺たちにだって察しはつく。
「ファントムの作ったその集団は毎日何十って悪魔を召喚してる、つまり……」
「召喚されたのと同じ人数の女子供がその場所で命を落としてる」
エディさんの言葉を引き継いだ悠一さんの声は冷たく、静かで……でもだからこそ、内に秘めた怒りがふつふつと伝わってくる。
「そのファントムとは何者なんですか?いったいどんな組織が……」
「組織じゃねぇよ」
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