幻影の誘い-前編-

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その先は言わなくても理解出来た。 「狙われるのは決まって力の弱い子供や女性。反吐が出る、人間の方が余程悪魔みたいな事、してるんじゃないかな」 心底嫌そうに吐き捨てる波多野さん。 「まさか、今回の依頼って……」 なにかに気づき目を見開く雅人さん。 「ファントムが心に何かしら恨みや妬み、黒い感情持ってる人を集めた宗教団体みたいなものを作ったんだ。まあ実際は宗教団体なんて生ぬるいものじゃないけど……」 ここまで聞けば流石の俺たちにだって察しはつく。 「ファントムの作ったその集団は毎日何十って悪魔を召喚してる、つまり……」 「召喚されたのと同じ人数の女子供がその場所で命を落としてる」 エディさんの言葉を引き継いだ悠一さんの声は冷たく、静かで……でもだからこそ、内に秘めた怒りがふつふつと伝わってくる。 「そのファントムとは何者なんですか?いったいどんな組織が……」 「組織じゃねぇよ」
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