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「アイツは誰1人として殺してはいないんだ。悪魔召喚の方法と場所を提供して、生贄に相応しい人間の情報を教えてあげてる。それだけなら引っかかっても軽犯罪、しかも警察は悪魔の存在を認めてはいないから、確実に誘拐や殺人の証拠がなきゃ、捕まえられない」
そうだった、警察や自衛隊は幽霊や悪魔の存在を無いものとしている。
だからこそGIEみたいな幽霊や悪魔を秘密裏に処理する団体が必要なんだ。
「生贄の遺体は悪魔が処理してしまう。結局、誰もあいつが事件に関わっていたってことすら証明できない。まるで"幻影"のようなやつだよ」
話を締めくくる波多野さんの言葉にシンと静まりかえる。
あれ、でも……
不意に浮上した質問が1つ。
「どうして、今回の事件がそのファントムによって起こってることだってわかったんですか?」
「あんなふうにたくさんの人間を動かせるのはアイツ以外考えられない。それに今回は、こんな物が届いたんだよ」
内ポケットから波多野さんが取り出したのは真っ黒な便箋。
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