7679人が本棚に入れています
本棚に追加
『あ、そうだ。柳瀬くん』
優しく手招きするような声。
『土砂降りなのに自分の傘を道端の子猫にあげちゃうなんて、君は本当に優しいこなんだね。とても感動したよ』
「っ、なん、で……それ、今朝の……」
誰にも、言ってないのに……
みられ、てた……?
『会えるのが尚更楽しみになってしまったよ。それじゃあまた』
ガチャンと音を立てて通話が切れた。
誰もが言葉を発するのを躊躇う中、悠一さんが口を開く。
「波多野、エディ、お前らの班の使えそうな奴らかき集めろ。少しでも不安要素があるヤツ、力の弱いヤツは置いてこい」
「了解」
「それから……このメモ、秋津に渡せ」
サラサラと何かをメモした悠一さんはそれをエディさんに渡す。
「オッケー」
「雅人、亜狐、翔、お前ら今別々に出勤してるだろ。今日から絶対ひとりになるな、3人で歩くようにしろ」
そういえば亜狐と翔さんは雅人さんの家に一緒に住んでるんだった。
最初のコメントを投稿しよう!